2014年6月22日日曜日

イタリア代表の23人とプロフィール

GK
1.ジャンルイージ・ブッフォン(ユヴェントス)「スーパーマン」
言わずと知れた、イタリア代表の守護神。ワールド・カップは1998年大会から、5回目の出場となる。2010年、カンナヴァーロが代表を引退して以降はキャプテンを務める。イタリア代表の出場試合数最多記録保持者。ユヴェントスでは、2012-2013シーズンからデル・ピエロに代わりキャプテンに就任。1998年のワールド・カップ以来、EURO2000を除きすべての大会に召集され、今大会で10大会目となるが、これは元ドイツ代表のローター・マテウスに並ぶ世界記録である。

12.サルヴァトーレ・シリグ(パリ・サン・ジェルマン/フランス)
2009-2010シーズン、21歳頃からパレルモでレギュラーに定着し、2011年にパリ・サン・ジェルマンに移籍。代表初召集は2010年2月、2010年ワールド・カップ後はコンスタントに代表に召集されている。長らく代表ではサードGKの立場だったが、ヴィヴィアーノやマルケッティを押しのけ、ここ数年はセカンドGKに昇格した。

13.マッティア・ペリン(ジェノア)
まだ21歳と若い選手だが、セリエAは今年で2シーズン目の挑戦となる。セービング能力に定評があり、ブッフォンの後継者に最も近い選手の一人だろう。

DF
3.ジョルジョ・キエッリーニ (ユヴェントス)「キングコング」
フィオレンティーナ時代は中田英寿と共にプレイしており、中田はキエッリーニの最も尊敬する選手の一人である。もともとは左サイドバックとしてプレイしていたが、2008年頃にセンターバックにコンバートされた。イタリア代表ではセンターバックと左サイドバックを兼任している。タックルのスキルは世界一と言えるが、熱くなりやすくカードをよくもらってしまう。ドリブルが上手く、積極的なオーバーラップも彼の魅力のひとつである。

15.アンドレア・バルツァーリ(ユヴェントス)「壁(The Wall)」
ワールド・カップは2006年大会以来、二回目の出場となる。2010年は召集されなかった。かつては「期待の若手」であった。その後低迷期に入るも、ドイツ・ヴォルフスブルクへの移籍により才能をふたたび開花させ、2010年1月にユヴェントスに移籍。当初は控えのCBとされていたものの、レギュラーを奪取した。カンナヴァーロを彷彿とさせる高い対人スキルと鋭い観察眼は世界最高と言える。ニックネームは「壁」

19.レオナルド・ボヌッチ(ユヴェントス)
ワールド・カップは2010年に続き二回目の出場となる。インテルのユース出身の選手だが、バーリで注目を浴びたことをきっかけに、1550万ユーロで2010年にユヴェントスに移籍した。ユヴェントスではすでに4年間不動のレギュラーを務めているが、年齢はまだ27歳と若い。ロングパスの正確さはイタリア随一であり、ユヴェントスの3バックはボヌッチ抜きには成り立たない。あらゆることを高いレベルでこなすことができる理想的かつ現代的なセンターバックだ。

20.ガブリエル・パレッタ(パルマ)
アルゼンチン出身のイタリア人、リヴァプールやボカ・ジュニオルズでのプレイ経験もある。今年28歳となる選手だが、イタリア代表は2014年3月に初招集となった遅咲きの選手。今夏、ユヴェントスへの移籍が噂されている。対人の守備能力が高く、ロングフィードもこなす大型DFだ。今シーズンのパルマでの活躍が召集に繋がった。

2.マッティア・デ・シーリオ(ACミラン)
この21歳の若手DFは、所属クラブとポジションを同じくするパオロ・マルディーニとよく比較される。クラブでは攻守に渡り安定したパフォーマンスを披露する。また右利きではあるが、左右両方でプレイすることができる。代表初招集は2013年3月で、昨年行われたコンフェデレーションズカップにも出場した。今シーズンは怪我に悩まされた。

7.イグニャツィオ・アバーテ(ACミラン)
U-21イタリア代表ではウィングFWとしてプレイ、ACミランでもかつてはMFでの出場が多かった。2009-2010シーズン頃からサイドバックにコンバートされ、次第にイタリア代表の常連に。スピードを売りにした攻撃的な能力を評価されている。EURO2012やコンフェデレーションズカップでもイタリア代表に召集されている。

4.マッテオ・ダルミアン(トリノ)
ACミラン出身、24歳の若いサイドバックで、2011年からトリノでプレイしている。イタリア代表での出場経験は無く、彼の召集は今回の最大のサプライズと言える。戦術理解度が高く、ミスも少ない。サイドバックとしては、デ・シーリオ同様に、左右両方でプレイでき、またセンターバックとしても起用も可能。今回のメンバーの中では最も使い勝手の良いDFだろう。今季はセリエAでウイングバック及びサイドバックとして28試合、サイドMFとして3試合、センターバックとして5試合、合計36試合に出場し、3アシストの活躍をした。


MF
21.アンドレア・ピルロ(ユヴェントス)「指揮者(Regista)」「脳みそ(The Brain)」
「レジスタ」の代名詞とされるほどの彼の比類なきボール・コントロールは説明するまでもないだろう。ワールド・カップは2006年、2010年に続き三回目となる。2010年大会は怪我で離脱し、決勝トーナメントから出場する予定だったが、イタリアが窮地に立たされると急遽グループステージ第三戦で途中出場した。ACミラン時代の弱点だった怪我の多さも、ユヴェントス移籍後はほぼ解消された。ユヴェントスのセリエA三連覇を最も支えた選手である。「中盤の底」でのプレイを得意とする選手だが、イタリア代表では左寄りのCMF(インサイドハーフ)での起用が目立つ。

16.ダニエレ・デ・ロッシ(ローマ)「剣闘士」「未来のキャプテン(Capitan Futuro)」
ユース時代からローマ一筋のロマニスタ。その風貌から「グラディエイター(剣闘士)」と称される。MFとして必要な全てのスキルが世界トップクラスであり、彼を世界最高のMFと評価する人も多い。EURO2012ではセンターバックとしてもプレイしたが、彼の攻撃力を活かしたかったプランデッリは、3バックの布陣がよく機能していたにも関わらず、その後デ・ロッシをMFに置く4バックの布陣に戻した。ワールド・カップは2006年、2010年に続き三回目。2006年大会ではグループステージのアメリカ戦で肘打ちをしたことでレッドカードをもらい、4試合の出場停止処分となる。今シーズンも、試合中の悪質なプレイが原因で代表招集が見送られることがあった。良くも悪くも、熱くなりやすい選手だ。

8.クラウディオ・マルキージオ(ユヴェントス)「王子様(Il Principino)」
ユヴェントス・ファンの父親の下に生まれ、7歳からユヴェントスに所属する生粋のユヴェンティーノ。難しいプレイも簡単にこなしてしまうボール・テクニックは、ピルロにも劣らない。MFの全てのポジションを経験した高い万能性を持ち、今季はフランス代表のポグバの台頭により一時は2008年以来はじめてレギュラーの座を奪われたが、その後中盤の底としての才能をも開花させた。2009年の初招集から、怪我を除けば、一度も漏れることなく常にイタリア代表に呼ばれている。

5.チアゴ・モッタ(パリ・サン・ジェルマン/フランス)
彼が最初に注目されたのはバルセロナでキャリアをスタートさせた20歳頃のときである。チャビ・エルナンデスやダービッツ、デコといった選手たちの後ろ、中盤の底でプレイした。その後アトレティコ・マドリッドを経てインテルに移籍し、チャンピオンズ・リーグ優勝に貢献した。その高い安定感や陰の貢献度から、ファンよりも監督からの信頼が厚い。かつてはU-23のブラジル代表でプレイしていたものの、フル代表はイタリアを選択した。2011年の初招集から代表に定着し、EURO2012にも出場。一時は代表のメンバーから外れるものの、今季から復帰した。バルセロナ以来、クラブ・チームでは中盤の底で守備的な役割をしているが、イタリア代表ではトップ下でプレイすることが多い。

14.アルベルト・アクィラーニ(フィオレンティーナ)「スワロフスキー」
ユース時代を過ごしたローマで才能を開花させた後、リヴァプールでは不遇のシーズンを過ごすが、ユヴェントスに加入後は再び高く評価される。ACミランを経てフィオレンティーナに移籍、入れ替わる形でミランへ移籍したモントリーヴォの穴を埋めた。プレイは素晴らしいのに怪我をしやすいという意味で「スワロフスキー」というあだ名が付けられているものの、今シーズンは一年を通して高いパフォーマンスを披露し続けた。

23.マルコ・ヴェッラッティ(パリ・サン・ジェルマン/フランス)
2011-2012シーズンのセリエBにおいて、ペスカーラのセリエA昇格に貢献した。彼もまた、アクィラーニや今回は怪我で離脱したモントリーヴォらと同じように「ピルロの後継者」と呼ばれた選手の一人であり、ボールコントロールやパスの能力が高い。2012年夏、ユヴェントスへの移籍が目前となっていたが、交渉が難航している間に、パリ・サン・ジェルマンが乗り出し、1200万ユーロで彼を獲得した。一部リーグでのプレイ経験のない選手としては異例の値段だ。クラブでは、世界的に高い評価を受ける選手が多く所属する中、弱冠21歳にしてポジションを確保し、破格の移籍金に充分に見合う働きをしている。EURO2012の予備メンバーに選出されていたが、本戦に進むことはできず、イタリア代表デビューは2013年2月のオランダ戦まで待つことになった。それ以降は定期的に召集されている。

6.アントニオ・カンドレーヴァ(ラツィオ)「大砲」
リヴォルノで才能を開花させ2009年、22歳でイタリア代表デビューを果たした。2010年冬にはザッケローニ監督が指揮を務めるユヴェントスにレンタル移籍で加入した。しかし、その後2年間は不遇のシーズンを過ごし、イタリア代表からも遠ざかった。2012年、ラツィオへの移籍をきっかけに再ブレイク、かつての弱点であったスタミナの不足やミスの多さは克服され、万能型のMFへと成長した。様々なポジションでプレイすることができるが、本職はサイドMFである。

18.マルコ・パローロ(パルマ)
今回召集されたパレッタやカッサーノらと共に、今季のパルマの躍進を支えた選手の一人。チェゼーナに所属していた2011年にイタリア代表でデビューし、EURO2012への出場も期待されていたが、それは見送られた。その後しばらく代表からは遠ざかっていたものの、2014年3月に復帰し、今回メンバーに選ばれた。イタリア代表に召集されている他のMFと同様に、万能型の選手であり、中盤からのダイナミックなシュートを評価されている。今シーズンは35試合に出場し、8ゴールをマークしている。


FW
9.マリオ・バロテッリ(ACミラン)「スーパー・マリオ」
15歳でプロデビュー、17歳からセリエA・インテルでプレイしていた。その後マンチェスター・シティーを経て、現在の所属チームのACミランへ。怪物的な破壊力を持ち、ピッチのどこからでもシュートを決めることが出来る。キング・ペレをして「世界最高のストライカー」と評されるが、精神的な未熟さは隠しきれず、レッドカードを受けて退場することも多い。

17.チーロ・インモービレ(トリノ)
ユヴェントス・ユース出身の選手で、現在も保有権の半分はユヴェントスが所持している。2011-2012シーズンに出場機会を得るためにセリエBのペスカーラに移籍し、28ゴールで得点王に輝く。次のシーズンは不調が続いたが、今シーズンから調子を取り戻し、セリエAの得点王に。今夏のボルシア・ドルトムントへの移籍が注目される。守備も献身的に行うFWで、FWとして必要なあらゆる能力を高いレベルに持つ。

11.アレッシオ・チェルチ(トリノ)
ローマ出身のセコンダプンタで、今季はインモービレと共にトリノの強力な攻撃を支えた。スピーディーなドリブルが売りの選手、右サイドから中に入り込んでの左足のキックは、精度・威力ともに抜群だ。2013年3月にイタリア代表に初召集され、コンフェデレーションズカップのメンバーにも選ばれた。ミランへの移籍が噂される。

22.ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)
ナポリ・ユース出身の彼は、ナポリターレ(ナポリのファン)から最も愛される選手だ。クラブのレジェンド、ディエゴ・マラドーナも彼を非常に高く評価している。2011-2012シーズンはペスカーラで過ごし、ヴェッラッティ、インシーニェと共にセリエA昇格に大きく貢献した。昨年のU-21欧州選手権では10番を務める。ポジションはセカンドトップで、おそらく今回のメンバーの中で最もドリブルの上手い選手だろう。2013年10月のイタリア代表デビュー戦でもその実力の高さを発揮した。ナポリのベニテス監督も、イタリア代表へ強く推薦している。

10.アントニオ・カッサーノ(パルマ)「バーリの宝石」
ローマ、レアル・マドリッド、ミラン、インテルと数多くのクラブを渡り歩いた。「悪童」の代名詞とされるほどにかつては精神的な未熟さが目立ったが、2009年頃からはまじめにサッカーに取り組むようになる。2010年ワールド・カップへの召集も大きく期待されたが、当時の監督リッピとの確執があり、メンバーから外れた。スピードやボディー・バランス、スタミナなどは持ちあわせてはいないものの、卓越したボール・テクニックを持って敵を圧倒する。EURO2012以降は代表から遠ざかっていたものの、今季のパルマでの活躍が評価され、代表にふたたび召集された。


今回落選した主な選手
GK ミランテ(サポートメンバーとして帯同)、マルケッティ
DF アストーリ、クリッシート
MF ジャッケリーニ、フロレンツィ、ポーリ、モントリーヴォ(負傷離脱)
FW ジラルディーノ、オスヴァルド、ディアマンティ、エル・シャーラウィー、ベラルディ、ロッシ

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